・放射線治療後、局所再発前立腺癌に対する治療選択肢は?
転移がない、放射線治療後、局所再発前立腺癌は、放射線治療後、PSA上昇を認め、生検で前立腺内部にのみに癌を認める状態である。
この場合、これまでは海外でもホルモン治療が行なわれていた現状があった。(下図)しかし、近年は、手術また局所治療(フォーカルセラピー)としての凍結治療、HIFU(超音波温熱治療)などが海外で行なわれている。日本においても、凍結治療やHIFUは保険適応がないが、局所再発がんに行なっている大学病院などがある。
日本において、日本泌尿器科学会が発行している2016年、前立腺癌診療ガイドラインによる各治療の推奨グレードは下記の通りである。(引用:2016年、前立腺癌診療ガイドライン)
臨床的再発とは、遠隔転移などを認めるものであるが、これらはホルモン治療が行なわれることが多い。しかし、局所再発のみの場合は、いずれの治療も推奨グレードC1である。
なぜか?
放射線治療後の追加治療は、初回治療よりも副作用が多くなる可能性があること、また、診断の難しさ(遠隔転移診断が十分でない可能性、海外ではPSMA PET検査などがある、日本においては臨床試験の段階)もあるため適切な治療適応がまだ、十分定まっていないことがあげられる。
放射線治療後の局所再発前立腺がんの克服を目指す
・ある友人から自分の専門外のがんの相談を受けた。色々話している時に、ふと思った。患者さんは、短い外来時間で、がんの病態、治療、十分理解できていないのではないか。自分は、その夜、一人反省した。 ・私のひとつの専門領域である放射線治療後の再発前立腺がんの話にはなるが、この内容でお困りの患者さんの不安が少しでも改善し、病院で主治医と有意義な外来診察および相談の時間を過ごせるようになれば幸いである。
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