・放射線治療(外部照射・小線源治療・粒子線治療等)を行ったのにPSAが上昇する、なぜでしょうか?
回答)限局がんで放射線治療行ってもPSAが上昇することがあります。これを、専門的には生化学的再発(PSA再発)と言います。連続してPSAが上昇した場合や、治療後最もPSAが低下した時点からPSAが2ng/ml以上(Phenix 定義)上昇した場合と定義されます。これはなにを示すか・・可能性は下記のとおりです。
① 前立腺内部に新たに癌ができる
② 前立腺内部に初回放射線治療の癌が残っていて増大してきた
③ 遠隔転移(骨・リンパ節など)が起こってきた
④ 微小転移といって前立腺周囲にミクロの癌の再発がある
などが考えられます。再発の形式によって追加の治療の方針が変わってきます。
次に再発時何をするかお話します。
参考)Phenix 定義・・・ Roach M 3rd, Hanks G, Thames H Jr, et al. Defining biochemical failure following radio therapy with clinically localized prostate cancer:recommendations of the RTOG- ASTRO Phoenix Consensus Conference. Int J Radiation Oncol Biol Phys. 2006; 65: 965- 74.
放射線治療後の局所再発前立腺がんの克服を目指す
・ある友人から自分の専門外のがんの相談を受けた。色々話している時に、ふと思った。患者さんは、短い外来時間で、がんの病態、治療、十分理解できていないのではないか。自分は、その夜、一人反省した。 ・私のひとつの専門領域である放射線治療後の再発前立腺がんの話にはなるが、この内容でお困りの患者さんの不安が少しでも改善し、病院で主治医と有意義な外来診察および相談の時間を過ごせるようになれば幸いである。
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